ガバナンス

実効的な組織運営に関する取り組み

きさらぎ監査法人

2018年10月15日

金融庁は、「監査法人のガバナンス・コードに関する有識者検討会」が取りまとめた「監査法人の組織的な運営に関する原則(監査法人のガバナンス・コード)」を公表しました。

本原則は、組織としての監査の品質の確保に向けて5つの原則と、それを適切に履行するための指針を取りまとめたものですが、当該原則は多くの構成員からなる大手監査法人における組織的な運営の姿を念頭に設定されたものであるため、中小規模である当法人ではそのままの形では適用しておりません。しかしながら、同原則が目指す「組織としての監査の品質確保」の趣旨を踏まえて、当法人の規模・特性等に即した実効的な組織運営の下、監査品質の継続的な維持・向上に取組んでおります。

【監査法人が果たすべき役割】

原則1

監査法人は、会計監査を通じて企業の財務情報の信頼性を確保し、資本市場の参加者等の保護を図り、もって国民経済の健全な発展に寄与する公益的な役割を有している。これを果たすため、監査法人は、法人構成員による自由闊達な議論と相互啓発を促し、その能力を十分に発揮させ、会計監査の品質を組織として持続的向上させるべきである。

法人内で共有すべき価値観として、法人の「理念」を掲げ、それを達成するための「行動指針」を定めております。

【理念】

「先人の偉業を誇りとし、あえて、孤高の監査人であることを目指し、甘受す。」

【行動指針】

  1. 自主・独立、不偏・不党の覚悟を堅持し、職業に誇りを持ち、修業に達成感を持たなければならない。
  2. 社会制度並びに監査制度と証拠に基づいた業務執行を原則としなければならない。されど、その例外を必要とする議論の存在をも認識し、制度改革への志を、常に保持しなければならない。
  3. 生活のために易きに向かってはならない。私的環境の充実は、業務に対する努力で獲得しなければならない。
  • 毎週1回開催される朝会において、最高経営責任者である代表幹事より、法人の構成員に対して必要なメッセージを伝達しております。
  • 当法人は、一つの部屋にマネジメントを行う幹事を含む監査業務を行う法人の構成員全員が席を持ち、朝夕は事務所に立ち寄ることを原則としているため、法人内の全員が、日常的に顔を合わせてコミュニケーションをとれる状況にあり、マネジメントと現場スタッフの距離は近く、監査チームだけで対応することが困難な状況が発生した場合においても適時に把握し、適切な対応を図ることができます。
  • 毎月1回開催している定期連絡会においては、各監査業務の監査責任者・主査が出席し、それぞれの監査業務において検討している事項あるいは問題となっている事項等について、審査担当者・品質管理担当者を含めて議論を行い、法人全体で対応を図っております。
  • 非監査証明業務については、監査業務以外の周辺業務に関する知識・経験を深めるものとして、監査業務を損なわない範囲で受嘱する方針であります。

【組織体制】

原則2

監査法人は、会計監査の品質の持続的な向上に向けた法人全体の組織的な運営を実現するため、実効的に経営(マネジメント)機能を発揮すべきである。

  • 社員総会において、日常的にマネジメントを行いうる社員を幹事に選任し、選任された幹事は幹事会を毎月開催するとともに、幹事は、情報を共有しながら、法人運営について議論を行っております。
  • 幹事会で選出された代表幹事は、当法人の最高経営責任者として、各幹事と連携をしながら業務執行を行っております。
  • 幹事は、それぞれ、「総務・人事」、「渉外・IT」及び「業務管理」の部門を担当しております。また、社員及び主査以上の職員は、これら各部門のいずれかに属し、監査の業務活動とは別に法人の組織的運営に参画しております。
  • 総務・人事部門では、大局的・中期的観点からの人材採用計画、研修方針、人事評価制度及び報酬に係る方針の構築を行っております。
  • 渉外・IT部門では、対外的な事務所情報の発信体制や、被監査会社等との間の意見交換を行うための環境整備を行っております。またIT担当部署においては、事務所全体の情報セキュリティーの構築及び監査業務におけるIT関連のサポートを行っております。
  • 業務管理部門では、品質管理委員会及び審査委員会を設置しております。
  • 品質管理委員会では、監査のサポート業務、監査の管理業務及び研修業務等を行っております。
  • 審査委員会では、監査証明業務及び非監査証明業務に関連する審査業務を行っております。

【組織体制】

原則3

監査法人は、監査法人の経営から独立した立場で経営機能の実効性を監督・評価し、それを通じて、経営の実効性の発揮を支援する機能を確保すべきである。

  • 現状の法人規模において、間接部門や独立した機関を設けることは、必ずしも効率的な法人運営にはならないと考えております。
  • 代表幹事及び幹事会の業務については、上場会社のマネジメント経験者や弁護士等の外部の第三者の有識者で構成する監査委員会によるモニタリングを受けております。モニタリングは、幹事会への出席あるいは幹事会の議事録閲覧等により行われております。
  • 監査の実効性の評価については、先般、日本公認会計士協会より公表された「監査の品質の指標(AQI)に関する研究報告」を参考に、検討を重ね、当監査法人の品質管理委員会で自主的に評価する方向で検討中であります。

【業務運営】

原則4

監査法人は、組織的な運営を実効的に行うための業務体制を整備すべきである。また、人材の育成・確保を強化し、法人内及び被監査会社等との間において会計監査の品質の向上に向けた意見交換や議論を積極的に行うべきである。

  • 現状のシンプルな組織体系(幹事会、品質管理委員会、審査委員会)と幾つかの会議体(毎週の朝会、毎月の月例ミーティング及び定期連絡会)を活用し、それぞれで、活発な意見交換や議論を重ねる中で、トップの価値観等について、法人の構成員に浸透させるとともに、現場における問題意識を、全員が共有しております。
  • 朝会及び月例ミーティングにおいて、幹事会における決定事項や必要な情報を、適宜、法人の構成員全員に知らせております。また、監査の品質の重要性についても、繰り返しアナウンスしております。
  • 当監査法人では、監査責任者は日常的に監査現場へ赴き、現場の状況を把握し、必要に応じて、経営陣幹部や監査役との意見交換を行っております。
  • 定期連絡会では、幹事、品質管理委員、審査委員及び各監査業務における監査責任者及び主査が出席し、各監査業務における検討事項や問題点について報告を行うとともに意見交換や議論を行うことにより、法人全体で問題点等を共有し、対応を図っております。
  • 人事評価に関しては、監査の品質を重視した項目を中心とした評価シートを用いた業務責任者の評価、個人面談及び評価結果のフィードバック等により適切に評価を行っております。
  • 監査業務だけでなく、会計監査に関連する幅広い知識の習得を目指して、法人主催の研修会を毎月開催しております。また、法人主催の研修会とは別に日本公認会計士協会等が主催する研修会への参加も積極的に促しております。

【透明性の確保】

原則5

監査法人は、本原則の適用状況などについて、資本市場の参加者等が適切に評価できるよう、十分な透明性を確保すべきである。また、組織的な運営の改善に向け、法人の取組みに対する内外の評価を活用すべきである。

  • 「品質管理システムの概要書」及び「業務及び財産の状況に関する説明書」については、日本公認会計士協会のウェブサイトに上場会社監査事務所登録情報として公開しております。
  • 被監査会社に対しては必要に応じて、個別に説明を行っております。

以  上